お知らせ・活動報告

2025.09.09

例会報告

【9月9日】国際奉仕委員会「金融市場から見る世界経済情勢」

国際的な動向を知るという委員会の趣旨を踏まえ、「金融市場から見る世界経済情勢」というテーマで卓話を企画しました。
今起きている、トランプ関税、AI進化、インフレが金融経済に与える影響を、世の中の動きと与える影響を知って頂く事で世の中の動きや方向性を見る上で少しでもお役に立てればと思い、野村證券大坂隼矢シニアストラテジストを招聘しました。

2025年の世界経済情勢は、トランプ政権の関税政策への懸念から一時的に株価が大きく下落したものの、日米の株価は既に以前の水準を回復している。米国市場では特にAI関連銘柄がS&P500指数を牽引しており、関税による景気の腰折れ兆候は確認されていない。実質GDP成長率は米国、ユーロ圏、日本とも安定的に推移し、今後も堅調な成長が予想されている中、全般的な景気は良くはないが、テクノロジー進化が株価を支えている。インフレ動向では、米国、ユーロ圏、日本それぞれで異なる動きを示し、日本の生活密着型の物価上昇は厳しい状況が続く。金融政策面では各国の政策金利に差異があり、日本では春闘による賃上げ率は高いが、物価上昇を考慮すると実質賃金は減少傾向が続く。生産年齢人口は減少する一方、就業者数は増加しているが、女性の労働力率は既に限界に近づいているとされる。為替市場では米ドル安が進行する一方で、円の上昇力は弱く円高の進行は限定的である、といった内容を分かりやすくご紹介いただき、有意義な例会となりました。